夢見る瞳に

 / 園長だより 

坂戸幼稚園の幼児教育、保育を知っていただくには、その幼稚園の園長先生がどのような言葉を届けているのかをお読みいただくのが何よりであろうと始めたホームページでの「園長だより」。毎月在園のご家庭にお届けしている坂戸幼稚園の通信「のびのびつうしん」から転載してまいります。

新しくなったホームページで最初にお読みいただくのは、今年のクリスマス会から思う園長の子どもたちを見つめる目です。「夢見る瞳に」

夢見る瞳に

残暑の残る9月から始まった2学期が、秋、冬と季節の移り変わりと共に本日終了いたします。2学期には、沢山の行事も行われ、それを楽しみにしながら過ごす毎日の生活の中で、自分自身やクラス、学年の目標や課題にも向き合いながら心を豊かに育ててくれました。

一昨日行われたクリスマス会で、子どもたちの夢見る瞳と保護者様とお子様の間に通い合うあたたかな眼差しに包まれた時間をご一緒させて頂き、私はとても幸せでした。心より感謝申し上げます。

園で行う行事には様々な形式があります。保護者様のご参加の有無や行事そのものの大小等も異なります。けれども2学期に行われた全ての行事を通じて、子どもたちが大きく育てた心の豊かさを改めて考えた時、それはきっと「見る」ことと「見てもらえる」ことにあると感じます。

いつも一緒に過ごす友だちの姿、他学年の子どもたちの姿、共に生活する保育者の姿、そして何よりも大好きな親御様の姿。子どもたちはいつでも屈託なく過ごしていますが、意識せず全身で感じ吸収しています。

「○○が出来るようになりたいな」も「あんな風になりたいな」も「○○ちゃんに△△してもらって嬉しかったな」も、全て自分が「見てきた」ことと「見てもらえた」ことにつながっています。実際にできるようになったこと以上に、子どもたちは感じてきた「思い」の中で自分を育てていきます。

けれども「思い」は形にしなければ決して相手には届かないものでもあります。どうぞこれからもお子様への愛を言葉や行動という形にして沢山届けて下さい。そうして受け取ってきた「思い」は子どもたちの中で熟成され、自分自身と他者への信頼を根付かせ、親御様の姿をモデルにして周囲の人々に「思い」を手渡していける人に育ってくれると思います。一昨日のクリスマス会の中で強く感じた私の思いと願いです。

最後に、クリスマス会に寄せての一文です。創立70周年の絵画展の折に、10年ぶりに絵画と共に園のアルバムを取り出しました。創立当初の一葉の写真を見て驚きました。それは創立者がサンタクロースの衣装を着て園児と写っている写真です。

私自身の子ども時代からのこれまでの日々の中で、クリスマスはあまりにも自然であったために見逃してしまったのでしょう。しかし、創立は終戦わずか4年後です。数年前まで敵国であった国の文化と風習をすぐに取り入れた創立者の英断に身が引き締まる思いをしました。

誰が何と言おうとも、こうした時代だからこそなお、未来を生きる子どもたちの為に希望と幸せと夢見る瞳を与えてあげたいという創立者の願いを感じました。

今学期中もたくさんのご支援とご協力を頂き誠にありがとうございました。ご家族皆様ご健康に留意されよいお年をお迎え下さい。

園長 浅見 美智子