チャレンジの基準【SKPレターから】

 / さっかーせんせい日記 

さんはカズこと三浦知良選手のことはご存じのことと思います。なんと齢52歳にしてJ2横浜FCでプレーする現役プレーヤーですね。数々の名プレーと共に得点を決めた後のカズダンスで誰もが知る日本サッカー界の生きるレジェンドです。その顔からは、歳を隠せなくなってしまっているのは同世代の私からしても「やむなし」というところはありますが、ユニホームを脱いだその体はとてもとても50歳を過ぎた人の体ではありません。若い選手のようなあの筋肉は、努力を惜しまないトレーニングの賜物であることは間違いありません。メタボのさっかーせんせいとは大違いです。

 

そうしたカズ選手に負けず劣らない選手が実はいるんです。それが安彦考真(あびこ たかまさ)選手です。何が「負けず劣らず」なのかというと、この安彦選手、Jリーグでプロになったのがなんと40歳!なんですって。高校在学中からアルバイトで貯めたお金でブラジルにサッカーを学びに行き、20歳で日本に戻ってきた後に複数のJリーグのチームの入団テストを受けるもすべて不合格。いくつかの仕事をしながら39歳の時(ということは19年間選手としてボールを蹴っていない!)「人生の後悔を取り戻したい」と一念発起。仕事を投げうち、つてをたよりなんとか受けさせてもらったJ2チームの入団テストで合格を勝ち取りました。

 

J2 Y.S.C.C.横浜所属 安彦考真選手

 

「なーんだ、よくあるオールドルーキーのお話かぁ」いえいえ、安彦選手の「負けず劣らず」話はここからなんです。その合格したJ2チームでの年俸が、驚くなかれ120円!120円ですよ!ということは月額10円!!私はプロの経験はありませんから報酬の仕組みはよく分かりませんが、安彦選手の契約は下限(最低年俸)のないものだったそうです。そのJ2チームでの出場はゼロ。今季はJ3のチームに41歳で移籍し、そこでも年俸120円でプレーしているのです。本人は自身のことを「ゼロ円Jリーガー」と名付けているそうです(笑)。

敵なチャレンジですよね。Never  too  lateを自分の行動で示すことができるって本当に敬服してしまいます。この安彦選手が乙武洋匡氏との対談記事でこのような言葉がありました。『チャレンジした後の失敗談をもっとポジティブに語れる世の中になって欲しい。チャレンジ中はみんなが「頑張れ」と言ってくれる。だけど成功するかは分からなくて、何年かやったけどできませんでしたとなるかもしれない。その時に「チャレンジしなきゃよかった」となるかというと決してそうではない。そこまでの過程で「こうしたプラスがあった」と捉えていいんじゃないか。つまり結果として失敗であっても「やってよかった」と考えられる。チャレンジの基準を「成功できるかどうか」にこだわりすぎだと感じる。成功も失敗もプラスにはなる。それを発信していかなくては。』と。

 

あー、耳が痛いけれども本当にその通りだと思います。過程(プロセス)に光を当てていることが素晴らしいと思いますし、園長先生が常に口にする「子どもの育ちは結果ではない。プロセスそのものに成長がある」に通じてなんだかとても嬉しくなってしまっているさっかーせんせいがいます。

 

安彦選手、今季は4試合に出場していますが、まだ年俸は120円で変わらずだそうです。来季の年俸をぐーんとアップさせるチャレンジになりますね。え、でもちょっと待って、チャレンジは成功するかどうか分からない代物・・・うーんプロの世界はやっぱり厳しいっ。がんばれ安彦選手!

byさっかーせんせい