シリーズ<あと伸びするチカラ 非認知能力を育てるには>その1【SKPレターから】

 / さっかーせんせい日記 

最近よく耳にする「非認知能力」。子ども、特に幼児期の育ちにはこの非認知能力が求められていますが、「それって何?」「で、その能力はどうやって育てるの?」と思われるている方もいらっしゃると思います。はい、それにお答えするのにとてもよい本に出合いました!そこで、今回から数回に分けて、シリーズとしてその本の内容を皆様にお伝えしていくことといたしました。

 

坂戸幼稚園でとても大切にしている「子どもたちの遊び」「遊び込む」「遊びきる」が、この非認知能力を育てるのにどれほど有効かを『坂戸幼稚園あるある』であわせてお伝えしていこうと思います。

 

非認知能力って?それは、読み・書き、計算などの「認知的能力」すなわち目に結果として見えたり、数値化しにくい能力のことと言われています。非認知能力は「社会情動的スキル」とも言われ、●何かに熱中・集中して取り組む姿勢(目標への情熱、忍耐力)●自分の気持ちをコントロールできること(自己抑制)●他者とうまくコミュニケーションできること(社交性、敬意、思いやり)●自分を大事に思えること(自信、自尊心、自己肯定感、楽観性)といった力のことです。

そしてこの力は、成長後の心の健全さや幸福感を高め、その子の将来の社会的・経済的なものを高めるものなのです。“将来”のことですから、その時すぐにではなく、後になって出てくることから「あと伸びする力」とも言われているのですね。その時結果として目の当たりにできるものではなく、目に見えにくいのだけれども将来を左右するものなのでしょう。

 

実際、ある長期追跡調査研究では、教科学習の先取りを行って高いIQを得たとしてもそれは短期的なもので、その数年後には早期教育を受けなかった子に追いつかれることが多いことが明らかになったという報告もあるほどです。就学前教育を受けた子どもたちが獲得した能力の中で、長期的に持続したのは「非認知能力」で、それこそが将来の成功につながる重要な能力だということが分かったということなのです。

 

認知能力を育てるにはどうしたらいいの?そのひとつが「あそび」なのです。夢中になる身の回りの「あそび」そのものだったのです。この「あそび」については次回さらに詳しくお話ししてまいりますね。

※『非認知能力を育てる あそびのレシピ』大豆生田啓友著 講談社

滑り台の逆さ昇り。坂戸幼稚園でも子どもたちはやろうとします。上から滑ってくる子とぶつかって落下、怪我につながることもありますから、遊び方の約束として「やめようね」と伝えていますが、子どもなら逆から昇りたいっと思うのはごく自然なこと。これだって興味や好奇心あるいは「こっちの方が早く“てっぺん”に行ける!」という気づきの現れですもの。なんでもかんでも危ないから禁止!では育つものも育たない、気づくものも気づかないということになります。

 

先生もこうした子たちがいたら「あぶないよー」と声を掛け、その子を視野の中に入れつつ挑戦を見守ることがあります。こうしたことはブランコでも一緒。坂戸幼稚園では立ち乗り、二人乗りOKです。

でも、公園でもしお子様が逆さ昇りをし始めたら困っちゃいますね。他のお母様の目も気になりますし、他の子に怪我をさせてしまったら大変とつい止めさせてしまうもの。そうした時には、他のお母様方と相談して逆さの昇りをさせてあげたり、他の子がいない時を見計らってさせてあげるといいのではないでしょうか。忘れてはならないのは側を離れないこと!見守りながらたくさん経験させてあげて下さいね。

by さっかーせんせい