シリーズ<あと伸びするチカラ~非認知能力を育てるには>その2【SKPレターから】

 / さっかーせんせい日記 

子どもの非認知能力を育てるには?というテーマをシリーズでお伝えしていく第2回目です。前回のレターでは、非認知能力は「あと伸び」するチカラで、これを育てるには子どもが夢中になる「あそび」そのものだというお話をいたしました。それではどのように遊べばいいの?それを今回はお伝えしてまいります。

 

遊びというと「勉強」や「習い事」でないもので子どもの力を伸ばすことに直結しないもの(行為)をイメージしたり、あるいは「息抜き」や「余暇」としてのちょっと体を動かすもの(行為)を思い浮かべたりする方もいらっしゃるかもしれませんが、子どもたちの「あそび」はどっこいそうしたものではないのですね。子どもの「あそび」は豊かな学びそのもの、生活そのものなのです。

 

もうじき秋が過ぎ、冬がきます。冬になると坂戸幼稚園できまって子どもたちが色水氷を作り始めます。登園後の朝、水たまりに氷が張るのを見て、なぜか毎年自然発生的にカップに色水を作り、次の日の朝に氷が張るのを楽しみに登園してくるのですが…。あれれ、私のカップは薄氷…。けれどもお友だちのはあんなに凍ってる…。

はてさて…。そう、カップを置く場所によって凍り方が違うのは大人であればすぐに気が付くというものです。けれども子どもたちにとっては「?」が頭の中で渦巻きます。この渦巻きをどうにかしようと子どもたちは夢中になって来る日も来る日も色水を作っては置いて帰ることになります。

 

そして、子どもたちなりの「!」を見つけようとします。例えば、緑は凍るけど赤は凍らないのではないか、カップがプラスチックだと凍るけど紙だと凍らないのではないか、とか。ここで大人が答えやヒントを渡してしまうのもまあよいでしょう。けれどもすぐには教えてしまわないことが肝心なのではないのでしょうか。なぜか。このあそびで子どもは自分の「問い」を持ち、自分なりに考えて「探求」しているからなのです。まさに知的好奇心の育ち、つまり非認知能力につながっているのです。

 

この例からも、子どものあそびが「勉強」「習い事」「息抜き」「余暇」ではないことが分かりますね。加えてそしてこのあそびで大切なことのひとつに「あそび込む」こと、「あそび切る」ことがあげられます。そりゃそうです、だって「息抜き」のあそびではないのですもの!あそび込むこと、あそび切ることこそ、その後の「学びに向かう力」「がんばる力」の“素地”を育てていくのでしょう。さらに、「このあそびをすれば、非認知能力(あと伸びする力)」が育つ」と図式化できるほど、子どもの育ちは単純なものではないということも覚えておいて下さいね。

そこに自然があれば子どもたちは没頭して遊びます。自然との関わりが体の諸機能を発達させ、知的好奇心を旺盛にし、思考力、表現力、感受性といったものを培います。この季節であれば、落ち葉の中に踏み入ってカサカサという音に耳を澄ませてみたり、秋の実りでスタンプ遊びをしてみたり、そうした中で子どもたちが夢中になるのはなんといってもドングリ集めです。

坂戸幼稚園でもドングリ拾いに街の公園に行きます。子どもってどうしてああもたくさんのドングリを拾い集めるのでしょう?不思議ですよね。でもちょっと考えてみて下さい。大人だって好きなものを収集するコレクターがいるじゃないですか。子どももきっと同じ。ドングリは子どもが自由にたくさん集められる唯一のものといってもいいくらい。子どもはみんなドングリマニアなのですから。

さて、拾ってきたドングリをそのままにしておくとドングリムシがはい出てきますので用心が必要です。一回茹でてからコマにしてみたり、顔を描いたりして遊んで下さいね。

byさっかーせんせい