理事長だより1月

 / 園長だより 

あー、またまたうっかりしてしまいました。ここから2連チャンで理事長だよりです。

2学期、ありがとうございました

9月、まだまだ半袖なかにはタンクトップ姿で遊んでいた子どもたちが、気持ちのよい秋の季節を過ごし、あっという間に長袖体操着で生活する12月になりました。その2学期が本日終了いたします。たくさんの行事がありましたね。運動会、のびのびフェスティバル、お店屋さんごっこ、そしてクリスマス会。子どもたちはその行事を楽しみにしながら生活してきましたが、私たち保育者は一つひとつ行事に向けての日々に子どもたちへの育ちの願いを、機を織るように織り込みながら坂戸幼稚園らしく迎えてまいりました。

 

そして2学期のこれら行事の折々で、また日々の生活の中で感じる子どもの「成長」には様々な側面がありました。「成長」という言葉からは厚い上着を一枚ずつ脱いで、軽やかに心を解放させていくイメージがありますが、実はそれだけではありません。

 

例えば・・・友だちとケンカするようになったことも成長。言い訳をしたり、ウソをつくようになったことも成長。相手によって態度を使い分けるようになったのも成長。ある物事に対しての苦手意識が増して感じられるのも成長。etc…。保護者様はきっと「ええっ、そんな成長欲しくない」と思われるかと思いますが、そうした姿も心の育ちとともに生まれるものだからです。忘れてしまったことの方が多いですが、私も、きっと皆様も、そうした過程を経て大人になったのだと思います。

 

園長が常々お伝えしてきています通り、子どもの成長は過程(プロセス)にこそあり、そのプロセスとして見守らなければならないこともあります。一方、大人として正さなければならない、見過ごすことはできないこともあります。どちらか一方だけ、あるいはどちらかに偏り過ぎてしまってはいけないのですね。「先生、その塩梅が難しいのですけれども…」その通りです。それは一人ひとりの子どもがそれぞれに違うのですから塩梅などと片付けられないからです。料理のレシピのように決まった分量を入れればおいしく出来上がるというようなことはないからです。2学期は、幼稚園でもこうした子どもたちの成長と向き合ってきた、それだけに実り多い学期でもありました。

 

明日からは冬休みとなります。冬休みはご実家に戻られたり、ご親戚に会われる機会も多いことでしょう。どうぞこの時期にしか味わえない事柄をたくさん経験させてあげて下さい。それが3学期に心弾ませて登園する姿にきっと繋がることでしょう。本年中のご理解、ご協力、ご支援に心から感謝申し上げます。ご家族の皆様が健やかで楽しくお過ごしになられますことを心よりお祈り申し上げます。よいお年をお迎え下さい。※今月号はH29年度のびのびつうしん1月号園長だよりをさっかーせんせいが再校正、加筆しお届けしました。

難しいことを

今月号の『木陰の物語』は「難しいことを」というテーマです。実は今回の木陰…はさっかーせんせいが版元にリクエストをして送信してもらい掲載いたしました。大変共感するものでしたから、これはぜひ坂戸幼稚園の保護者様にも読んでいただきたいと思ったからです。

 

中身については20ページ、21ページをお読みいただきたいのですが、世の中、難しいことを避ける風潮が少々多くなっているのを感じます。難しいから楽をすることと本文にもありますように難しいことをやさしくするのとでは違うと思うのです。

 

技術の進歩やAIの登場は、それが本当に必要な人や状況には有難く、まさしく「やさしい」ものではありますが、そこまで楽にしていいの?と、人が進歩どころか退化してしまうのではと懸念してしまうような技術(商品?)もあるような気がしてなりません。

 

それは子育ても一緒です。簡単で楽な子育てというものはないと断言してもよいと思います。これは皆様も感じていらっしゃることと思います。けれども、楽ではないけれども子どもにやさしい子育てはあるはずです。何をどうすればやさしいのか、それがまさに「難しい」ところなのですが、それは各ご家庭で見つけていくほかはないのですね。だってご家庭がそれぞれのように子どももそれぞれだからです。共通解などありえないのですから。

 

さて、本文では「難しいことをやさしく」お伝えしていけるようにこれからも木陰…作りに向き合いたいと団士郎先生はおっしゃっています。さっかーせんせいは難しいことを難しく伝える術さえも持ち合わせていませんが、やさしいテーマをやさしくお伝えできるよう努めてまいりたいと思っています。来年ものびのびつうしんをどうぞよろしくお願いいたします。

理事長 浅見 斉

※『木陰の物語』は、坂戸幼稚園で毎月発刊している「のびのびつうしん」の最終ページに載せているもので、児童相談機関、障碍者三相談機関の心理職25年の団 士郎さんの経験談をイラスト(漫画?)とともにお届けしているものです。