理事長だより 8月

 / 園長だより 

先日坂戸幼稚園も夏休みが始まりました。今年は年度当初の臨時休園もありましたので、予定していた日程を少々繰り下げての夏休みスタートです。その夏休みを前にしてのびのびつうしんで保護者様にお届けした理事長だよりとなります。

1学期ありがとうございました

月に始まった臨時休園が4月、5月と続き、各クラス別園庭開放、新入園児同伴保育、ご入園をお祝いする会を行い、そして6月、臨時休園が明けてからの分散当園を経てようやく通常保育を行えるようになり、7月は細々とではありますがプール遊びも行い、すいれん組ではお泊りはできずとも夏の体験保育として秩父にみんなで行くことができた1学期が本日の終業式をもって終えることになります。この間、保護者様には多大なるご理解、ご協力、ご支援をいただき本当にありがたい気持ちでいっぱいになりました。励ましのお言葉も頂戴し感謝の思いに包まれました。本当にありがとうございました。

園日を数えてみれば三十数日、通常通り新学期を迎えていれば三ヶ月を幼稚園で過ごしている子どもたちですが、まだまだ一ヶ月と少し程度しか経ていません。例年であればようやく幼稚園生活に慣れ始め、自分の居場所を見つけながら新しい友だちの存在を意識し、好きな遊び、好きな友だちに出会う頃なのです。この大切な子どもたちの時間を奪ってしまった新型コロナウィルスに文句を言ってもはじまりませんが、どこにこの気持ちをぶつければいいのかという思いがいまだにぬぐえずにいます。保護者様には焦らずに、ゆっくりと取り戻してまいりますとお伝えしてまいりましたが、どこかにもどかしさも感じ、やり場のない焦燥感を募らしてしまうというのも率直な心持ちでした。

れども、私たちのこのような思いとは裏腹に、子どもたちはその場、その環境を柔軟に感じ取り、そしてこのような状況を自分たちなりに理解してしなやかに遊び、生活し続けてくれました。子どもたちのたくましさを感じずにはいられません。幼稚園にとりましても、教職員にとりましても、園児の存在がいかに私たちを支えてくれているのかとその大きさを改めて思い知るのと同時に子どもたちにも感謝の気持ちで満たされています。

当たり前が当たり前でないことを実感させてくれた1学期でもありました。今後のコロナウィルス第二波、第三波等の動向により幼稚園もどのようになるのか大変不透明ではございますが、どのようになろうとも子どもたちの未来を見据え、「今日一日」を深く、広く見つめ、一緒になってでき得る限りいっぱい遊び、たくさんの経験を通して生活して子どもたちの成長を築いてまいります。1学期間の保護者皆様の温かいまなざしに心より感謝申し上げます。今後とも変わらぬご理解とご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

夏休みを前に

夏休みを前にゆみで保護者様からご家庭での様子をご丁寧に返信していただきまして大変ありがとうございます。そのご返信には臨時休園期間中のお子様のご家庭での様子を記されているものがとても多く、先生方も日々の保育の一助にさせていただいています。

私も拝読させていただきながら、なかなか家の外には出られないお子様と保護者様のやりとりについ笑みがこぼれてしまったり、幼稚園ではそうそうできない体験をお子様に与えていただいているのに感心しきりでした。

うしたあゆみの中でたくさん書かれていたのが、ずっと家の中にいるお子様がなかなか○○を覚えられない、□□ができずに(○○や□□はどちらかというとお勉強や習い事に近いもの)苛立ってしまわれるというものです。閉じこもりっぱなしの生活でお子様も親御様も致し方ないかなとも思いますが、一方で思い当たるのが「親が先生や指導者になるのは難しい」ということです。

私の家庭でも同じでした。とは言いましてもうちの場合は美智子先生にその役割を負わせっぱなしで私自身はまったく担いませんでした。今は申し訳なく猛省しています。娘たちの勉強にあまり手がかからくなってから、美智子先生も私も特に娘が取り組んでいたフィギュアスケートではほとんど助言とかスケーティングで親なりに気が付いたことさえも言わなくなりました。もちろんフィギュアスケートに関しては私たち親は素人ですし、技術的なこともさっぱり、ジャンプの種類でさえ分かりませんでしたので当然といえば当然で、「楽しかった?」とか「残念だったね」とか「素敵だったよ」とか、一ファンのような関わり方になりました。メンタルなことも含め「コーチはコーチに任せる」という気持ちが大きかったと思います。

中には、ステージママよろしくリンクサイドでしきりにアドバイスしていた親御さんもお見受けしましたが、そうしたお子さんほど早々にリンクから去っていたという印象があります。親御さんからのアドバイスはどうしても「ここがおかしい」「こうしたほうがいい」という指導になりがちで、やはり肉親からのこのようなお小言はやる気を削ぐのではと思うに至りました。こうした評価に繋がる言葉に子どもは敏感です。これは幼児とて同じでしょう。

休み、少々長いお休みになりますが、「これしなさい」「あれやった?」ばかりではなく、その時は少し手を止めて一緒になってお子様と「やってみよう」と楽しむくらいのつもりで丁度よいのではないかと思います。外出や遠出に行くことが難しいこの夏休み、その中にありましても子どもたちが豊かな経験を積んでくれることを期待しています。どうぞ新型コロナウィルスに十分ご注意いただきながら楽しい夏休みをお過ごし下さい。

理事長 浅見 斉