園長だより7月「幼児教育無償化に関するある危機感」「幼児期からのスポーツ特化による危険性」

 / 園長だより 

今月号はさっかーせんせい(実は理事長です)がお伝えしてまいります。なので「理事長だより」になりますね。よろしくお願いいたします。

幼児教育無償化に関するある危機感

正子ども・子育て支援法が今年5月の国会で成立し、今年10月から幼児教育・保育の無償化(以下 無償化)を実施することとなりました。消費税10%引き上げによる増収分がその財源になりますので、リーマンショック級の出来事が無い限り消費税増税は実施される見込みです。ですから、直前で大きな経済的事由によりひっくり返ることがあるかもしれないと、地方行政も慎重にならざるを得ず、保護者様への説明も遅れているのが実情です。

 

今回は、この無償化でのある議論について保護者皆様と共有したいと思います。それは、無償化による「小学校教育の前倒し」になるのではという危機感についてです。

 

参議院内閣委員会で「義務教育、小学校1年生を1年前倒しにしたら、少子化に対策に寄与するのではないか」「3歳児から5歳児が無償化されるのであれば、幼児教育・保育の義務教育化という議論があってもいいのではないか」と複数の議員から発言、意見があったとのことです。この「1年前倒し」「義務教育化」に大変な危機感を覚えます。

 

国民の貴重な税金による無償化ですから、幼児教育・保育の質の向上が求められるのは当然のことと思いますし、私どももそれに応えなくてはならないと考えます。そして、質の高い幼児教育は知的な能力に加え、協働性や他者への思いやり、自己調整能力などの非認知的能力の育成に大きな効果をもたらすと多くの研究からも明らかになっており、それはひいては生涯にわたる心身の健康な生活のためにも多大な役割を果たします。だからといって、質の高い幼児教育とは「小学校教育の前倒し」では決してありません。

 

長が常々お伝えしている通り、この時期の子どもは「遊びを中心とした生活、活動」から育ち、「遊びを通して自分を発揮しながら主体的に学びに向かえるようにする」ことが何よりも大切です。このことは、幼稚園、保育園にお勤めの方はもちろんのこと、幼稚園や保育園にお子様を通わせている、通わせたことのある保護者様、昨今では小学校教員、小学校関係者にも認識が深まり、理解も広がっています。にもかかわらず、前出議員の幼児教育への理解もない発言があり、「小学校教育の前倒し」可能性の危機感を募らせてしまうのです。

 

このように、理解が十分に行き届いていない人たちへの、私ども幼児教育者や保育者の「質の高い幼児教育とは」の啓蒙、普及に引き続き努めていくことが、この無償化を有意義に活かせていけるものと考えます。ある新聞記事に『これまで以上に各園が情報発信を強化し「子どもたちの育ちのプロセス」を伝えること』とありました。坂戸幼稚園としても園長の持論である「子どもはプロセス(過程)で育つ」ことを発信し続けてまいります。同紙ではまた『ドキュメンテーションの作成・活用が大切』ともあり、坂戸幼稚園の“あゆみ”はまさに園児一人ひとりのドキュメンテーションになります。ご家庭とその子どもの育ちの共有を続けてまいります。

 

こののびのびつうしんがお手元に届いた後すぐに、無償化についての詳細をおたよりできるものと思います。保護者皆様におかれましてはもうしばらくお待ち下さい。※6月17日 日本教育新聞

幼児期からのスポーツ特化による危険性

FA(公益財団法人日本サッカー協会 以下JFA)では、普及事業としてキッズプロジェクを立ち上げ、その柱のひとつにキッズリーダーの養成事業があります。私もこのキッズリーダー養成のインストラクターとして携わり、今年で16年目を迎えました。

 

JFAの事業ですので、キッズ世代の子どもたちのサッカーを上手にする指導法を学ぶものと考えられがちですが、キッズリーダーは子どもたちが体を動かすことの爽快感を感じたり、運動やスポーツの楽しさ、すばらしさを伝えていく大人すなわちキッズリーダーを養成する事業です。そしてキッズリーダーによって運動やスポーツを好きになった子どもたちが、ひいてはサッカーも好きになってくれればという普及事業なのです。

 

私も16年前にこのJFAのこの考えや方針に共鳴しインストラクターになったのですが、近頃のJFAときたらキッズ世代にまでも育成すなわちサッカーだけでの競技志向を持ち込んできて、少しうんざりしているところではあります。

 

そうした中、私はキッズ委員会にキッズ世代のシーズンスポーツ(季節ごとに違うスポーツに取り組む)を取り入れたらどうか、複数のスポーツや運動を行う(ひとつのスポーツだけでなく様々なスポーツに触れる)機会を増やしてはどうかと提言してまいりました。前述のように競技志向を高めているJFAなのであまりいい顔はしませんが、昨今この考え方を後押ししてくれるような記事やニュースが増えてきてとても嬉しく思っています。

 

ず幼児や小学生期からのあるスポーツの専門性を高めることは健康障害を引き起こす可能性が増加するとのことです。野球ソフトバンクホークスの工藤監督は「小さい内から野球だけをし続けてきた子には肘を痛めている子が多い」と言います。私は野球が苦手ですが、野球で肘を痛めていることって致命的ですよね。だから野球のドラフトでは「サボっている選手を獲れ」という言葉もあるほどだそうです。

 

多くの保護者様には、テニスの錦織圭選手、スケートの羽生結弦選手や野球の松井秀喜選手のように小さい頃からそのスポーツに特化してきたからこそ現在の超一流のアスリートとしての姿があるのではと思われる方もいらっしゃると思いますが、錦織選手は小さい頃はサッカーにも打ち込んでいたそうですし、松井選手は野球と柔道を並行して行っていたそうです。羽生選手はけん玉の腕前は相当らしいとのこと。けん玉はスポーツとはちょっと違いますが、でも体の使い方(リズムをとる、動体視力など)スケートに相通じるものはありそうです。100m走の世界記録保持者のウサイン・ボルト選手も小さい頃はサッカーに励んでいて、走ることを引退後はプロのサッカー選手を目指したというニュースを知っている方も多いと思います。

 

そして、様々なスポーツに触れることはその子の選択肢を増やし、将来的にコンペティションの世界に進んだとしても、他の競技で身に付けた体の動きは良い影響を及ぼします。また、スポーツや運動に親しむ方向だとしても、経験してきた色々なスポーツを楽しめるという幅が広がり、生涯スポーツとして健康で豊かな生活に繋がります。一方、そのスポーツだけを取り組んできた子に見られるものとして、バーンアウト(燃え尽き)してしまう傾向が高いそうです。

 

後に、その子の動機付けも様々だということです。もちろんそのスポーツや競技を上手になりたいからと取り組む子もいれば、友だちが行っているから、体を動かすことが好きだから、例えば喘息を治すため(羽生選手がそうでした)、あるいは教えてくれるコーチが好きだからなんていうのもあるかもしれません。要は誰のモチベーションでそのスポーツに取り組んでいるのかということです。それが大人の期待に応えるものになっていませんかと問いたいのです。「えー、さっかーせんせい、幼児の時に子どもがそれを考えるのは難しいんじゃないですか」との声が聞こえてきそうです。そう、だからこそ沢山の種類の運動やスポーツを身近にしてあげて、子どもが少し大きくなった時に「自分はこれが好き」と選択ができるようにしてあげることが大切ではないかと思います。たとえそれが親の望んでいた種目とは違っても、もしかしたら「やっぱりこっちの方が好き」と方向転換したとしても、スポーツではなく例えばアート系に目が向いてしまったとしても、自分で選択したものですから大切にしてくれると思いますし、「好きこそものの上手なれ」とも言いますものね。

坂戸幼稚園 浅見 斉(さっかーせんせい)

※JFAではキッズ世代をU-6(アンダー6歳)、U-8(アンダー8歳)、U-10(アンダー10歳)の子どもたちとしています。

※のびのびつうしん7月号を若干改稿しました。

 

 

7/3(水)双葉会 プール遊びだよ全員集合!

 / 坂幼インフォメーション 

7/3(水)は2歳児プレ親子プログラム双葉会です!この日は坂戸幼稚園のプールで親子プール遊びとなりますよ。とは言いましても、保護者様にどっぷり水着に着替えていただくわけではありません。水深はくるぶし程度、それでも楽しいプール遊びをじん先生、マッチー先生考えてくれていますよ。親子造形は坂幼夏祭りでも使えるうちわ作り。これでワッショイ夏祭りも楽しめます!前期会員まだまだ募集中です。ご入会お待ちしています!!

【既に双葉会にご入会されている方】お電話でのご案内になり本当に申し訳ございません。以下のプール遊び案内も見づらいですよね。もしご不明の点などございましたら幼稚園までご遠慮なくお問い合せ下さい。

【前回の双葉会から】

坂幼の先生(黄色いTシャツ)も入って親子同士和気あいあいと活動しています。

2歳の子どもたちも、作り方のお話なのに「なんか面白そう」なものだとこんな表情で聞き入るのですね。

そして、この年齢の子たちに聞く時のちゃんとした姿勢はあまり関係ないのです。要は「聞き込んで」いるかいないかでしょう。

2歳のこの子たちに逆上がりをさせたいわけでは決してありません。山梨大学中村和彦教授も言っています。現代の幼児は圧倒的に動き(動作)を身に付けていないと。子ども(幼児期)に身に付けたい36の動作、その中にもありまよ。「ぶらさがる」「さかさまになる」。こうした動作を獲得していくためにも、このような運動遊びは“現代の”子どもたちには必要なのです。

 

遺伝子と子育て【SKPレターから】

 / さっかーせんせい日記 

育ては無意味、多くは遺伝子で決まる。と言われて腹を立てない親はいないと思います。「遺伝子で決まるだと!?身体の大きさや運動や芸術の才能はそういう要素が多分にあるかもしれないけれど、“こころ”はどうなの?それこそ生まれてから育てられてきた育ちの姿、子育ての結果ではないの?」と疑問を投げかけられる親御さんが多数だと思います。

 

ある本にこう書かれていて私もびっくりしました。子どもは真っ白な状態で生を受け、その後の育てられ方で徐々に“こころ”と言われる部分を形成していくものだと確信していましたから。そうでなければ、人としての礎を築くために幼児教育を一生懸命に頑張っている全国の幼稚園の存在意義って何?ってことにもなりかねませんし、それどころか、親は何のためにいるの?と究極の「?」にぶつかってしまいます。

 

まれてすぐに別々の家庭に里子に出された双子(一卵性双生児)の兄弟が、39年後の再会まで一度もコンタクトを取っていないにもかかわらず、乗っている車の車種、着ていた服、掛けていためがねのフレームも、妻の名前、子どもの名前、はては犬の名前までもが同じであった。そうした例が大量にあることを知った行動遺伝学の研究者が研究を進めた結果、性格、心や社会的態度に家庭が与える影響は皆無(!)で、家庭環境が子どもに影響を与えるのは、言語と宗教観だけであるとまで言っています。そして、科学の世界では既知の事実であるといいます。さらにびっくり!

 

ただ、「多くは遺伝子で決まる」といっているので、そうではない部分もあると述べています。かいつまんで申しますと、「そうではない部分」というのは「友だち関係」で、思春期を迎えるまでは「友だちの世界」が子どもにとってのすべて、「子どもが親に似ているのは遺伝によるもので、子育てによって子どもに影響を及ぼすことはできない」そして子育ての重要さを説く者は「親が(自分の努力は報われるという)子育て神話を求めているからである」と言い切っています。

 

だち関係、これこそが子どものパーソナリティが作られる土台。子ども、特にヒトの子どもは自立までに相当の期間を要し、だからこそ遺伝子の中に群れや集団から排除されては生きていく術がないという情報が古来から組み込まれているのだとしたら、子どもが“私”という自分を築くのは、友だちとの間でどのような自分でいなければならないのかという要素が大きいのは頷けます。加えてこの著書では、研究者の言葉として、親がもうひとつ子に対して影響を与えられるのは、どのような友だちを与えていけるかということだそうです。

かに、子どもにとって友だちの存在がとても大きいのは、幼稚園での園児同士の生活を見ているとよく分かります。だからと言って、自分の子に良い(と思われる)友だちばかりを言葉は悪いですが「備えて」あげること、よくテレビドラマなどで見受けますが、犯罪者の子だから遊んではいけませんと遠ざけてしまうことが果たしてその子の育ちに良い影響を与えるでしょうか。私の答えは「NO」です。

 

友だち関係がその子を作るのであれば、どのような友だちとも同じように接していける、関係が悪くなった時にはそれを正して(直して)いける、新しい友だちの幅を互いに広げていける、喜びや悲しみを共有できる、そうした友だち関係をその子自身のために作ってあげたいと思います。たとえ神話だとしても私の遺伝子にはそう組み込まれています。

byさっかーせんせい

※「言ってはいけない ~残酷すぎる真実~」 橘 玲著 新潮新書 少々雑学めいた本ではありますが、多くのエビデンスを基に書かれていて、“真実”かもしれません。

6/29(土)園庭開放SKPです!

 / 坂幼インフォメーション 

関東地方も梅雨に入りました。どこかしら例年より雨が少ないかなと感じていましたら、明日朝にかけて大雨警報(熱帯低気圧が台風に!)が出ました。今年初めての台風上陸(かな?)、皆様どうぞご注意下さい。

 

そうした中、SKPのご案内です。6/29(土)園庭開放SKPです。今回は「ピョーン、跳んで、跳ねて、ジャンプであそぼう!」子どもたちはとにかくジャンプするのが好きですよね。隙あらば、ちょっと目を離した隙に、跳びたくなってしまうのが子ども。そうした子どもの「跳んでみたい!」の欲求に応えてしまおうというのが今回の「ジャンプであそぼう!」です。

 

ジャンプと言いましても色々なジャンプがありますね。高く跳ぶ、遠くへ跳ぶ、大きく跳ぶ、あるいは高く“から”跳ぶ、超えるように跳ぶ等々、様々なジャンプにトライしてみますよ。「えー、でもうちの子、高いところが苦手で・・・」「うちの子も怖がりで・・・」ご安心下さい。小さい子も沢山遊びに来るSKPです。少しずつ、少しずつで遊んでまいります。

 

土曜日のお天気もちょっと心配ですが、たくさんのお友だちのご来園をお待ちしています!※SKPは雨の場合や園庭コンディションが悪い場合には中止となります。ご了承下さい。

6/26(水)2歳児プレ親子プログラム双葉会「♪笹の葉さーらさら♪七夕飾りを作るよ!」

 / 坂幼インフォメーション 

はい、またやってしまいました・・・。ご案内をお届けするのが遅くなり、ご自宅の郵便受けに明後日届くことになろうかと思います。そこで、ご案内が届く前に今回は坂幼インフォメーションにアップいたしました。まだまだご入会受付中!途中からのご参加で大丈夫かしらと不安になられている方もいらっしゃるかもしれませんが、心配はご無用です。坂戸幼稚園の先生で楽しい親子の時間となるようバックアップしてまいりますよ。お待ちしています!

 

梅雨、お部屋の中で過ごすことが多くなりますね。けれども、外で遊べないこの時期は、親子の時間をたっぷりとれるチャンスでもあります。でも・・・その時間に何をすれば?心配しないで下さい。双葉会でそのヒントを持ち帰って下さいね。

ご入会お待ちしています!本日6/12(水)2歳児親子プログラム双葉会「そらっ、えいっ、よっと、ウサギさん輪投げ」

 / 坂幼インフォメーション 

あらあらご案内が当日になってしまいました。ごめんなさい・・・。今日は朝から曇り空ですが、その分過ごしやすく、双葉会もきっと一層カラダが動いて参加できますね。

 

今日の親子造形は「そらっ、えいっ、よっと、ウサギさん輪投げ」。もうイメージできちゃいますね。けれども、イメージできるということは子どもたちも遊びやすいってこと!ワクワクしながら作って、ニコニコしながら「そらっ、えいっ、よっと」遊んで下さいね。もちろん、JIN先生、マッチー先生との親子ジム(体操)も元気よくありますよ!まだまだご入会お待ちしております!!

 

 

【前回の様子:アニマルパラシュート】

そう、まだまだグルグル、グチャグチャの年頃です。このグルグルの中に、その子なりのストーリーがいっぱい詰まっているのですよ。

パラシュートだから投げてみる。あれれ、どこにいっちゃったかな?それも大人と違って子どもは上下左右の視野がまだまだとても狭いからなのです。こうした発育発達の特徴を知っていれば、「どうして取れないの?どうして追いかけないの?」と目くじらを立てず笑顔で見守っていられますね。

親御さんといっしょだからこの笑顔。安心感の中で活動できるというのもこの年代の子どもたちには必要です。

真直ぐな上を走りたくなっちゃうのもキッズ世代でよくみられる姿です。例えば・・・スーパーの通路や駅のホーム、歩道などもそうですね。公共の場では安全のため、人へのご迷惑を考え注意しなくてはいけませんよ。けれども、走りたくなっちゃう特性がどうもあるらしいと頭にインプットしてあるだけで、注意した後の見方も変わりますよね。そこが大切。

ちょっとした障害物の上を“渡る”。山梨大学中村和彦教授による「幼児期のうちに身に付けたい36の動き」の中にもこの動作ありますよ。よろよろしながらもその体を元に戻していくチカラ、それが体のバランス力。転びそうになった時に転ばない、ぶつかりそうになった時に止まる、やっぱり身に付けたいチカラですね。

園長だより6月「春から夏へ」「読み聞かせについて」

 / 園長だより 

ごめんなさい、ちょっと公開が遅くなってしまいました。6月1日に園児が持ち帰りました「のびのびつうしん6月号」の園長だよりです。

春から夏へ

香る5月の風が初夏の気配を運んできます。平常保育に移行して約一ヶ月が経ち、新入園の子どもたちも在園組の子どもたちも、それぞれ自分のリズムで今の生活に慣れてきているのを感じます。

 

子どもたちの心情の変化は、日常の些細な場面によく現れてきます。毎朝の「おはようございまーす」の挨拶がより大きく力強い声になったこと。園庭や廊下ですれ違う担任以外の先生に話し掛けたり、おどけてみたり、困った事を伝えられるようになったこと。そして何よりも自分でやりたい遊びを見つけて飛び出していけるようになったこと。

 

「私、ブランコしたい」「先生、縄とび回して」「一緒にドッヂボールしようよ」と友だちや保育者に伝え合う姿。“今、自分がしたいこと”が沢山あるって素敵ですね。“一緒に遊びたい人”が側に居てくれるって幸せですね。まだ少しドキドキしてしまって、自分からは「入れて」と言葉にできないこともあるけれど、友だちや先生に「〇〇ちゃんも一緒にやろう!」と誘われるのを待っていることを視線や面差しに感じます。

 

入園児はもちろんですが、園生活に慣れている年中長児も、この時期、自分のしたい遊びを通じて“まだ一緒に遊んだことのない友だち”にまなざしを向け、相手を知ろうとしたり、自分にはない行動の仕方に関心を寄せ刺激を受けたり、少しずつ少しずつ新しい人間関係を築いてゆきます。保育者は子どもたちをつなぐ“のり”接着剤です。

 

大人であっても、知っている場所、慣れた環境、気のおける知人と過ごすのは安心しますよね。子どもたちは更に毎年この安心感を基軸にしながら、次の生活へ、新しい友だち関係へと飛び込んでいくのです。実はとってもすごいこと!そしてとても大切なことです。新しい人との出会いは、新しい自分との出会いでもあります。

 

そうした人との関わりは、始めからはそう上手くはいかないものです。また逆に、気心が知れているからこそ一方的な強い言動になることもあります。子どもたちは、自分の思いや欲求を伝え合う中で、様々な形でのトラブルや衝突を経験します。

 

「これ、私が使ってたのっ!」「私だって使いたいのっ!」「ブランコかわってくれないの」といった欲求に端を発するもの。「Aちゃんに入れてって言ったら、今日はBちゃんと遊ぶからダメだって言われたの」「さっき色オニして、次はサッカーしようって決めたのにC君はやってくれない。ズルイ」といった友だち関係や物事の善悪、約束の遂行等、年齢が大きくなるにつれて複雑にも多様にもなります。

 

うしたトラブルや衝突は、保護者様にはご心配の種かもしれませんね。けれど、少し見方を変えてみると、それはお子様が紛れもなく友だちとの関わりを深めている何よりの証。悲しかったり、不本意に感じたりする出来事やその時の思いは、成長のための大切な栄養のひとつです。

 

向かう先には「相手への思いやり」があります。どのトラブルも衝突も相手の気持ち、心(思い、考え、悲しさ、戸惑い、やさしさ、大切さ)に気づけた時、「いいよ」と譲ったり、「ごめんね」と謝ったり、「こんな風にすれば…」と折り合いをつけたりしながら、「共にあろう」とする気持ちを強くしていき、自ら解決できるようになっていきます。その時、保育者は“ナビゲーター”もしくは“アシスト”役になり、子どもたちを導きます。

読み聞かせについて

宅の狭い一室の両壁一面に本棚があります。片側には絵本、もう片側には主人と私の本が並んでいます。その本棚に一葉の写真が飾ってあります。居間のソファに主人を真中にして長女と次女が座り、本を読んでもらっている時の写真です。

 

4歳の長女は昨日の続きで「龍の子太郎」を読んでもらっており、その表情から緊張する場面だったことがうかがわれます。2歳の次女は、次にお父さんに読んでもらおうと準備している絵本を膝に乗せ、こっそりのつもりで写真を撮っている私に、にこやかにピースサインを送っています。

 

私の大好きな写真です。見る度に慌ただしかった当時の日常や就寝前の穏やかなひと時を思い出します。また、2歳と4歳という年齢だけに興味や理解の違いがあったからかもしれませんが、それぞれが一冊ずつの「私の本」を「私のために」読んでもらう時間を楽しみにしていたことを感じます。

 

絵本は、主人が読むこともあり、私が読むこともありました。毎晩娘たちは本棚から一冊の本を選びます。当時も仕事柄、沢山の絵本がありましたが、娘はよく同じ絵本を選びました。内心「またぁ」という思いもありましたが、好きな本なのですから仕方がありません。それを父と母の声音で読んでもらうのです。

 

時はあまり深く考えたことがありませんでしたが、その後「異なる読み手による違い」について考えるようになりました。園で先生方が子どもたちに読み聞かせをしている場面を見ることがあります。その時にも「私とは違う読み方」に気付き、「なるほど」と思うことがあります。それは経験やスキルの差ということではなく、言葉は生き物であることを教えてくれます。

 

同じ物語、文脈、セリフであっても、読み手によって強調する箇所や臨場感の持たせ方、間の取り方やページをめくる速度等が異なり、同じ絵本に様々な角度や奥行きを作ってゆきます。

 

一説では、聞き手の解釈の妨げにならぬよう、不要な強調やセリフごとに声を変えることをせず、淡々と読む方がよいとあります。私自身は、子どもたちに絵本を読み続ける中で、私は私の読み方で読んであげたいと思っています。

 

時への後悔もあります。娘たちはそれぞれ4歳の誕生日を迎える頃に文字への興味が増し、最初は自分や友だちの名前、そしてひと月も経たぬ内に五十音を読めるようになりました。まさに“その時を迎えた”という感じでした。それから娘たちは自分でもよく本を開き声を出し読んでいました。ですので、時折あまりにも忙しくしていたりすると、私は娘に「自分で読めるでしょ」と言ってしまったのです。

 

今は分かります。読み聞かせてもらうのと、たどたどしく文字を拾って読むのとでは全然違います。それは音の連なりです。物語に没頭するにはこれが必要です。戸山滋比古氏は著書「乱読のセレンディピティ」で次のように記しています。「ことばはひとつひとつの残響、残像をもっていて、次のことばと結びつく。(中略)ひとつひとつ独立していることばをある速度で読むと、前の語の残像がはたらいて、つぎの語との間にある空白を埋め、つながり流れを生じる」

 

お父さん、お母さん、それぞれの声と読み方で、お子様に本を読んであげて下さいね。子どもたちと同じくらい親にとってもかけがえのない時間と恵を生み出してくれるはずです。

園長 浅見 美智子

大津事故から考える【SKPレターから】

 / さっかーせんせい日記 

大津市で散歩中の保育園児と保育者たちの列に暴走した車が突っ込こんだ事故から約1ヶ月が経過します。大変痛ましい事故で、亡くなられた園児のお子さんには心から哀悼の意を表します。

 

この事故は決して他人ごとではなく、坂戸幼稚園の園児たちにも起こりうるかもしれない事故と言えます。それは、坂戸幼稚園の園児も園外保育に出掛けることもありますし、それと共に先生と歩道を歩いたり、交差点で信号を待ち渡らなければならない機会も多々あるからです。

 

「園の外に出なければいい」確かに園外での活動をしなければ、今回のような事故に会うことはないでしょう。けれども、保育時間の長い保育園や園庭のない保育施設では、散歩や近隣の公園に子どもたちを連れ出さないわけにはまいりませんし、室内だけの保育では子どもの健やかな成長を望むべくもありません。

 

園庭のある坂戸幼稚園ではどうでしょうか。幼稚園の中で、日々体を動かして遊び、園生活を送ることはできますでしょう。しかしながら、地域社会との接点を持ち、地域も子どもの成長や幼稚園生活の大事な環境であると捉えますと、やはり園の中だけでの保育や生活だけでは足りません。

先日も、地区幼稚園協会の観劇会の帰り道を、年長組の園児は坂戸市文化会館から幼稚園まで徒歩で戻ってまいりました。大津市の事故を受け、より安全に歩行できる道順を選び直し、教員間で子どもの命を守りながらどう歩くか、交差点ではどのように待つか等を再確認しながら当日子どもたちと戻ってまいりました。もちろん、子どもたちには出発前に安全な歩行についても伝えました。

 

また、3学期の年長組お別れ遠足では、池袋のサンシャイン水族館まで電車を乗り継ぎ、池袋の街中を歩き行ってまいります。慣れない街中で、それぞれの交差点では私たち担任ではない先生が大急ぎで先回りをして、人や自転車、車の往来を確認し、横断旗をかざしながら子どもたちを渡らせます。池袋という人通りの多い街中ですので少々緊張しますが、子どもたちもそのような状況を理解しながら、それでも会話を弾ませたり、街中での発見をしながら歩いています。

また、大津市の事故を取り扱った新聞記事の中ではこのようなことも書いてありました。ある幼稚園での園外保育時、歩き方やルールなど保育者の指示に従って歩かせたことについての振り返りで『「歩いている時に限らず、保育者の指示に従うばかりになってしまうと、子どもたちが何かに気付いたり、新しいことを発見したり、自ら考えたりしなくなってしまうのでは」という課題が出てきた』と。

 

安全を確保し、命を守るには先生の指示に常に服従させていればその確率は高まるかもしれません。けれどもそこからは、この記事にある通り、子どもたちが自ら考えて行動する主体性の育ちにはつながらないでしょう。これは決して園外保育時だけの話ではなく、通常の保育にも言えることです。

 

地域や社会との接点を考えながら、子どもたちならではの気づきや発見を大切にし、微笑ましい会話ややりとりも味わい、加えて就学してからの徒歩での登校を見据え、安全確保と子どもの主体性発揮の両立を不断に考えていかなければならないと一層思っています。言うは簡単ですが、幼稚園や保育園の保育現場ではなかなか難しい命題であることも事実です。けれども、現代社会の中では取り組み続けなければならない事柄でもあります。

 

皆様のご家庭での子育てでも、これらの両立に頭を悩ませている親御様もいらっしゃると思います。ぜひお聞かせ下さい。そして共に考えていければと思っています。

byさっかーせんせい

明日6/8(土)は園庭開放SKPですが・・・

 / 坂幼インフォメーション 

関東地方も梅雨入りか?と思わせるような今日のお天気ですが、明日6/8(土)は園庭開放SKPです!けれどもこのお天気、どうも明日も続きそう・・・。そのSKPで今回はこんな雨なんて「どっかいっちゃえっ」と、てるてる坊主づくりを行おうと準備していますが、SKPは雨の時や園庭コンディションが悪い時は中止となりますので、「こんな雨なんて」という日には作れないのですね。ちょっと頭が回りませんでした(苦笑)。

 

微妙な時には幼稚園までお電話下さい。直接お答えするか自動応答でSKPの有無をお知らせいたします。もし行える時は、たくさんのお友だちのご来園をお待ちしています。遊びに来てね!

前期会員申込受付中!2歳児親子ペアプログラム双葉会5/29(水)2回目です!

 / 坂幼インフォメーション 

双葉会がスタートしました。前回の初回もたくさんの親子さんが参加していただきました。その双葉会、参加お申し込み受付中です。参加したい日程(下の画像参照)に幼稚園にお越しいただければその場で受付完了!そのまま当日以降の双葉会にご参加できます。楽しく親子でスキンタッチコミュニケーション!を坂戸幼稚園の先生がサポートします!!たくさんの親子さんのご参加お申し込みをお待ちしています!!!※下の画像、見にくいですよね。幼稚園にご連絡いただければお届けいたします。お気軽にお電話orメールして下さいね。

初回5/15の様子です。「ほら、えがおいっぱい!」は双葉会でも。

初回の親子造形はフライパンけん玉。フライパンでけん玉?

ママのお料理よろしくフライパンに目玉焼きを乗せられるかな?

坂幼先生も「それっ」と応援っす。

親子ジム(体操)はジン先生とマッチー先生の出番です!

親子ジムもいっしょに楽しく!

おー、やわらかい!

ちょっとずつ、ちょっとずつね。一人ひとりが違ってそれでいい。

おしりがしっかり上がってクマさん。

子どもたちの姿を見て「これなら大丈夫」と、ジン先生くるっとでんぐり返しにチャレンジしてくれました。